HIROBUNが投資信託を比較するブログ

グラフと表による「見える化」を通じて、投資信託を比較します。そして、優れたバランスファンドにより、すべての方にストレスなしの真のほったらかし投資を!

投資信託を見える化する(ガイド編)

こんにちは。HIROBUNです。

いつも当ブログをお読みいただき、ありがとうございます。

さて、お気付きかもしれませんが、私は当ブログの名称をちょくちょく変えています。

それは、「試行錯誤の現れ」なのですが、このたび、ようやくしっくりくる名称が決まりました(と思います)。

それは「HIROBUNが投資信託見える化するブログ」、肝は「見える化」です。

前の「比較してみる」も結構気に入っていたので、当初はそのまま行くつもりでしたが、そのうちにどうも「比較してみる」だけでは弱いかなと思うようになりました。

要するに「投資信託 比較」でヒットするサイトなどいくらでもあるわけです。それも上位は大手企業のサイトです。これではどう頑張ってもブログが埋もれてしまいます。

そこで考えたのですが、私が今やっているのは、個々の投資信託の無味乾燥な基準価額の変化を、グラフや表の数字に変換して、横並びで皆さまにお見せすること、つまり見える化です。

そこで、試しに「投資信託 見える化」で検索してみると、ヒットしました。

投資信託の成績、どう「見える化」する? (スグ効くニュース解説)

投資信託の質の「見える化」は可能か

しかし、これらのサイトや、これ以外にヒットしたサイトは、ほとんどが個々の投資信託に関するものではなく、金融機関のKPI(顧客本位の業務運営を客観的に評価できるようにするための成果指標)に関するものばかりでした。

ちなみに、金融庁が定めた投資信託の販売会社における比較可能な共通KPIとは、次の3つです。

・ 運用損益別顧客比率
・ 投資信託預り残高上位20銘柄のコスト・リターン
・ 投資信託預り残高上位20銘柄のリスク・リターン

で、思ったわけです。個々の投資信託の横並びでの「見える化」って、全然出来てないじゃん。やっぱりこれだ!と。

私のグラフと表を用いる方法なら、少なくとも投資対象とするかどうかの参考にしていただける程度には、個々の投資信託の横並びでの「見える化」が出来ていると思っています。

また、ブログを始める前の私としても、この程度の「見える化」が今までなかったのは、本当に残念な話で、ヤ◯◯を見ても、モ◯◯を見ても情報量は多いのですが、肝心なことがちっとも分かりませんでした。やはり、横並びで見える化」して投資信託の優劣がはっきりしてしまうとマズいのでしょうか?

さて、ブログの名称についてはこのくらいにして、今回は、今更で大変申し訳ないのですが、私が普段、記事にしているグラフと表の見方について、ガイド的な説明を書いてみようと思います。

読んでいただくとお分かりになると思いますが、正直、ちょっと難しいと言うか、面倒くさいところがあります。これまで書いてこなかったのには、そういう理由もあります。また、今回の説明を読んでいただかなくても、グラフや表の結果だけを見ていただければ十分だとも思っています。

しかし、今回の説明を読んでからグラフや表を見ていただけると、より理解が深まりますし、何より投資信託の見方がレベルアップし、今後は、新しい商品が出てもご自身で批判的に見ることができるようになると思いますので、最後までお付き合いいただけると幸いです。

まず、素材として前回の記事のグラフ です。

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(出典:Yahoo!ファイナンス

このグラフは、Yahoo!ファイナンスから、投資信託の基準価額の月間データ1年間分を取得しグラフ化しています。

しかし、基準価額のままだと投資信託によって価格が異なるため、うまく比較できません。

そこで、すべての投資信託の最初の月の基準価額を100%で揃えて、その後の変動率で比較するようにしています。

こうすることによって、例えば、基準価額3,000円の投資信託と基準価額30,000円の投資信託も比較することができるようになります。

ただし、このグラフにも弱点があります。以前にも書きましたが、1年間の基準価額しか比較していないため、たまたまその年だけ調子が良かったり悪かったりした投資信託があっても、このグラフだけでは判断できないことです。

このため、このグラフで興味を持った投資信託については、必ずYahoo!ファイナンスモーニングスターといったサイトで、もっと長期間のチャート等を確認するようお願いします。

そうすると、私のグラフでは絶好調に見えた投資信託が、長期的には非常に値動きが激しくリスクが高い投資信託であることが分かったりします。十分にお気を付けください。

続いて、素材として前回の表です。

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(出典:Yahoo!ファイナンス

この表も、元のデータはグラフと同じく、Yahoo!ファイナンスから、投資信託の基準価額の月間データ1年間分を取得したものです。

グラフだけでも全体的な傾向はわかりますが、投資信託で重要な信託報酬の高さなどはグラフからは分かりません。

また、各投資信託のリターンはグラフからでも概ね分かりますが、基準価額の動きの良し悪し(=リスクの大きさ)などは、グラフから正確に判断することは困難です

そこで、まず一番左側の列をご覧ください。上から順に説明します。

シャープレシオとは投資信託を選ぶときの指標の一つです。投資のリスク(価格変動)の大きさに比べてどれだけリターン(収益率)を得られるか、運用効率の高さを示します。数値が大きいほど運用効率が良いとされ、一般に1を超える投信は優秀と言われています。数値の大きさから、投信のポートフォリオ(資産構成割合)が取るリスクに見合うリターンを上げているかをチェックして、相対的に評価します。計算方法は投資のリターンから国債利回りなどリスクのない資産のリターンを引いたうえで、リスクで割ります(引用元:NIKKEI STYLE)。私は、このリスクに、下に書いた年間標準偏差を使用しています。

リターンだけでは分からない、投資信託のパフォーマンスを測る指標としては、かなり有効だと思いますが、注意点もあります。

まず、リスクが高く通常なら投資しないような投資信託であっても、その年のリターンがたまたま高かったような場合は、シャープレシオもそれなりに高くなるため、数字を鵜呑みにしないよう気をつける必要があります。

また、シャープレシオリターンがマイナスの場合は、リスクが大きいほどシャープレシオの数字も大きくなるため、注意が必要です。この場合、私はシャープレシオ投資信託の比較には使用しません。

さらに、上の引用した文章とは異なりますが、個人的には、シャープレシオは1を超えることにこだわる必要は全くないと考えています。1という数字にこだわると、本当に優良な投資信託を見落とすことにつながりかねませんので、ご注意ください。

12か月リターンは、年間リターンのことです。1年前から基準価額がどれだけ上昇(下落)したかの率ですが、この数字も、配当を再投資した場合はもっと高くなることにご注意ください。最終的にリターンがどの程度になるのかは、解約するまで分かりませんが、少なくとも基準価額の変動率はリターンの目安になると考えています。

また、同信託報酬抜きですが、信託報酬とは、ご存知のとおり、投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資信託保有している間はずっと投資家が支払い続ける費用のことです。ただし、別途支払うのではなく、信託財産の中から「純資産総額に対して何%」といった形で毎日差し引かれます。(引用元:SMBC日興証券

信託報酬が高い投資信託は、当然その分リターンも低くなるので、そのことがはっきり分かるよう、12か月リターンから信託報酬を引いたものも一緒に示しています。

年間標準偏差ですが、私が最も重視している指標です。標準偏差の説明は次のとおりです。

標準偏差とは、データの散らばりの度合いを表す値です。データの散らばりが大きいと標準偏差も大きくなり、散らばりが小さいと標準偏差は 0 に近づきます。(引用元:Sci-pursuit.com)

当ブログでは、投資信託の1年間の基準価額を用いて標準偏差を算出し、これを年間標準偏差と呼んでいます。シャープレシオの説明のところでも書きましたが、投資のリスクと同じ意味で使用しています。つまり、年間標準偏差が小さいほど、その投資信託のリスクは小さいことになります。私は、投資信託のリスクが小さいことは、リターン以上に重要なことだと考えています。

なお、標準偏差は、エクセルのSTDEVP関数を使用すれば、比較的簡単に求めることが出来ます。

今回の説明は以上です。

ここまでお読みいただいた皆さま、お疲れさまでした。私も、自分では理解していたつもりでしたが、まとめるとなると意外と大変でした(笑)。

それではまた。

※投資は自己責任でお願いします。