【私家版FOY2019ランキング】FOY2018ベスト20ファンドとライバルファンドを比較してみる(保存版)
こんにちは。HIROBUNです。
いつも当ブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、早速ですが、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year(以下、FOY) 2019」の投票期間(2019年11月1日~11月30日)が、いよいよ目前に迫ってまいりました(私は初めての投票となります!!)。
そこで、今回はFOY2018でベスト20にランクインした投資信託と、私がライバルと考える投資信託の1年間の実績を比較して、HIROBUN版FOY2019と言えるものを作成してみました。
いつものとおりエクセルで作成したグラフと表で客観的な比較を行いますので、投信ブロガーの皆さまには、投票の際のご参考の一つとしていただければ幸いです(なお、すでに投票するファンドを決めておられるブロガー様には大変余計なお世話かもしれませんが、ご容赦ください)。
また、これから投資信託で資産づくりを行うことをお考えの皆さまにも、もちろん、ご参考にしていただける記事になっていると思います。
- 1 今回比較した投資信託
- 2 総合ランキング
- 3 国内株式ファンドの比較
- 4 米国株式ファンドの比較
- 5 外国株式ファンドの比較
- 6 全世界株式ファンドの比較
- 7 バランスファンドの比較
- 8 株式ファンドとバランスファンドの比較
- 9 おわりに
1 今回比較した投資信託
投信ブロガーさんはご承知のとおり、FOY2018の結果は次のとおりでした(頭の数字はランキング順。後ろのカッコ内は私が比較用に付けた分類です)。
01 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(外国株式)
02 <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(外国株式)
03 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(全世界株式)
04 楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))(米国株式)
05 eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)(バランス)
06 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(バランス)
07 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)(ETF)
08 eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)(米国株式)
09 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))(全世界株式)
10 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)(全世界株式)
11 ひふみ投信(国内株式)
12 野村つみたて外国株投信(外国株式)
13 eMAXIS Slim 新興国株式インデックス(外国株式)
14 バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)(ETF)
15 結い 2101(国内株式)
16 バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)(ETF)
17 iFree S&P 500インデックス(米国株式)
18 eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)(全世界株式)
19 農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド(米国株式)
20 SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))(全世界株式)
20 コモンズ30ファンド(国内株式)
上記のうち、今回はETFを除く18ファンドを比較対象としました。さらに、一緒に比較するライバルファンドとして、次の7つの投資信託を追加しました。
・eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)(国内株式)
・eMAXIS Slim国内株式(日経平均)(国内株式)
・iFree8資産バランス(バランス)
・たわらノーロード先進国株式(外国株式)
・野村6資産均等バランス(バランス)
・野村インデックスF・内外7資産バランス・H型(バランス)
・野村インデックスF・米国株式配当貴族・H型(米国株式)
以上、合計25ファンドを比較しましたが、具体の比較に入る前に、まず、どのように比較したかをご説明いたします。
元データはYahoo!ファイナンスの月間(月末)の時系列データです。対象期間は、2018年10月31日~2019年10月25日です。
比較対象のファンドはそれぞれ基準価額が異なりますので、条件を揃えるために、昨年10月末時点の基準価額を100%とし、その後の変動率で比較しています。
標準偏差とシャープレシオ※は、エクセルの関数を使用して独自に算出しています。Yahoo!ファイナンスのものと完全には一致しないと思いますが、すべてのファンドで同様に計算しているので傾向としては間違っていない筈です。数字自体は参考程度にお考えください。
※ シャープレシオは概ねファンドのリターンを標準偏差で割ったもので、投資の効率性を測る指標です。
また、総合ランキングとは別に、上記のとおりファンドを国内株式、米国株式、外国株式、全世界株式、バランスの5種類に分類し、それぞれの中でのナンバーワンを選びました。
そして、最後に、参考までに各株式ファンド及びバランスファンドのナンバーワン同士を比較しました。
それでは、いきなりですが総合ランキングの発表です!!
2 総合ランキング
今回、総合ランキングはシャープレシオで行いました。25位まであるのはライバルファンドを含んでいるためです(本物のFOYは20位まで)。
リターンでランキングすべきではとお考えの方もいらっしゃると思いますが、やはり投資信託はリターンとリスクのバランスが重要であること、また、単純にハイリスク・ハイリターンの投資信託が上位となることを防ぐ意味もあります。
全体の1位は、野村インデックスF・内外7資産バランス・H型でした。リターン(12か月リターン)※は僅差で全体の2位でしたが、リスク(年間標準偏差)が圧倒的に低く1位でした。
2位は野村6資産均等バランス、3位にeMAXISSlimバランス(8資産均等型)が入りました。
この1年間は株式市場が不安定だったため、株式ファンドより相対的にリスクの低いバランスファンドが有利だったようです。
また、株式ファンドは、野村インデックスF・米国株式配当貴族・H型の5位が最高位でした。リターンは1位でしたが、リスクでは債券クラスを含むバランスファンドに及ばなかったので、シャープレシオの面で不利でした。
なお、パフォーマンスが振るわなかった国内株式ファンドは、今回は一つも20位以内に入ることができませんでした。
※ リターンは基準価額から計算により求めたもので、信託報酬を差し引く前のものです。なお、この記事では信託報酬抜きのリターンも記していますが、Yahoo!ファイナンスの信託報酬を単純に差し引いただけであり、信託報酬の厳密な算定は行っておりませんので、こちらはあくまでも参考程度にお考えください。
3 国内株式ファンドの比較
国内株式ファンドでは、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)が1位となりました。2位には、インデックスファンドを抑えてアクティブファンドのコモンズ30ファンドが入っています。
4 米国株式ファンドの比較
米国株式ファンドでは、野村インデックスF・米国株式配当貴族・H型が1位となりました。2位には、インデックスファンドを抑えてアクティブファンドの農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねが入っています。
S&P500やVTIに連動する投資家に大人気のファンドが、上記2ファンドを下回るパフォーマンスだったのは意外な感じもしますが、それだけ株式市場が不安定だったということなのでしょう。
5 外国株式ファンドの比較
外国株式ファンドは、主に日本以外の先進国の株式に投資する投資信託です(今回は後述するように例外あり)。
外国株式ファンドでは、僅差でeMAXIS Slim先進国株式インデックスが1位になりました。2位には、ほとんど誤差のような差で、ニッセイ外国株式インデックスファンドが入りましたが、3位と4位のファンドについても、ほとんどパフォーマンスは変わりませんでした。
なお、今回は便宜的にeMAXIS Slim新興国株式インデックスも同じグループに入れたのですが、グラフを見ても、他の外国株式ファンドよりも明らかにリスクの高い動きとなっています。
6 全世界株式ファンドの比較
全世界株式ファンドは、基本的には日本を含む先進国と新興国の両方の株式に投資する投資信託です。ただし、先進国には日本を含まない場合もあります。
全世界株式ファンドでは、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)が1位となりました。2位には同じeMAXIS Slim全世界株式シリーズのオール・カントリー(=日本を含む)が入っています。残念ながら、日本が入るとパフォーマンスが落ちるということですね。
7 バランスファンドの比較
バランスファンドは、例えば8資産均等型の場合は、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、先進国リートの主要8資産に投資する投資信託です。これが、銘柄によっては7資産だったり、6資産だったり、リートを含まなかったりします。
バランスファンドでは、野村インデックスF・内外7資産バランス・H型が1位となりました。2位には野村6資産均等バランスが入っています。
どちらの投資信託もリートの割合が3分の1と他のバランスファンドよりも高く、現在非常に高騰しているリートの恩恵が大きかったものと考えます。
8 株式ファンドとバランスファンドの比較
総合ランキングではシャープレシオで比較しましたが、ここでは年間リターンで比較してみますと、次の関係が見えてきます。
米国株式 > 優秀なバランスファンド > 先進国株式 > 全世界株式 > 国内株式
私はバランスファンド派ですが、これを見ると、現在の米国株ブーム、それも高配当株ブームは当然のことなのかなとも思います。
9 おわりに
もともと私はベストバイと言われるものが大好きで、家電なども買う前にネットや情報誌で散々情報を収集し、比較してから買うタイプです。
そして、そういう人間がインデックス投資に目覚め、FOYというものを知ったときに感じたのは、すごく参考になるという気持ちと同時に、一種の物足りなさでした。
その理由は、ランキングされたファンドが人気があることは分かりますし、その理由も皆さん熱くコメントされていて理解もできるのですが、客観的なデータが何も示されていないため、そのファンドが本当に儲かる投資信託なのか、また、どれが一番儲かる投資信託なのかが分からなかったからです。
そして、それは、投資信託を購入しようとしている一般の方々や投信ブロガーと言われる方々でさえも同じではないかと考えたため、当ブログを始めたわけです。
今回はFOY2019前ということで、やっていること自体はいつもと同じですが、少し集大成的に記事をまとめてみました。
たった1年間のデータで何がわかるのかというご意見は当然あると思いますが、投票や投資をする際の一つの目安として当記事のデータをご活用いただければ大変嬉しいです。
今回はここまでです。それではまた。
※投資は自己責任でお願いします。