HIROBUNが投資信託を比較するブログ

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【大人気】eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を比較してみる

こんにちは。HIROBUNです。

いつも当ブログをお読みいただき、ありがとうございます。

さて、今回は注目ファンドとして、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)(以下、Slim米国株式)を取り上げます。

S&P500指数に連動するETFは、世界最高の投資家の一人であるバフェットが、妻に自分が亡くなった後はこれだけを買っておけば良いと言ったとされています。

このS&P500指数に、低コストの投資信託で簡単に投資できるようになったため、投信ブロガーに非常に人気がありますね。

投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018では8位に入っています。

バランスファンド派である私でさえ、思わず買いそうになります。

1 ファンドの特色

主要投資対象は、S&P500インデックスマザーファンド受益証券。なお、米国の株式に直接投資することがある。主としてS&P500指数(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果をめざす。対象指数との連動を維持するため、先物取引等を利用し株式の実質投資比率が100%を超える場合がある。原則として、為替ヘッジは行わない。ファミリーファンド方式で運用。4月決算。(引用元:モーニングスター

資産配分は次のとおりです。

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(引用元:交付運用報告書)

組入上位10銘柄を見ると、S&P500なので当然ですが、マイクロソフト、アップル、アマゾンを始め、米国を代表する企業が並んでいます。 

2 基準価額変動率の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

Slim米国株式は紫色の線です。2019年の1月と2月にかすかに先進国株式ファンドを下回りましたが、他の月はわずかですが先進国株式ファンドを上回っています。いずれにしても、60%以上が米国株式からなる先進国株式ファンドの動きと大した違いはありません。

3 リターンとリスク

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(出典:Yahoo!ファイナンス

Slim米国株式は、他の株式ファンドと比べ、(マイナスではありますが)最も年間リターンがよく、年間標準偏差も先進国株式ファンドとほぼ同じです。

信託報酬も最も低コストな先進国株式ファンドよりは高いものの、十分低コストと言えるレベルです。

なお、インデックス投資家の間では、先進国株式と米国株式と、どちらが投資対象として適切かという議論があります。

先進国株式派は、米国がいつまでも最強とは限らない、他の先進国も入れるべきと言い、米国株式派は、米国最強、米国以外はパフォーマンスの足を引っ張るだけと言っています。

私は理屈よりも実績重視ですので、どちらかを選べと言われたら、今は米国株式ですね。

4 純資産の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

1年2か月前の9億円から現在の304億円まで、ほぼ一直線に増加しています。販売会社がたった13社しかないことを考えると素晴らしい伸びと言えます。

「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」で1位のeMAXIS Slim先進国株式インデックスでさえ2年7か月で587億円ですから、それを超えるペースで増加していることになります。

5 総口数の推移 

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(出典:Yahoo!ファイナンス

こちらも、1年2か月前の9億口から現在の277億口まで、ほぼ一直線に増加していましたが、よく見ると8月から9月にかけての増加は、その前よりも少し伸びが鈍ったように見えます。

この理由ですが、皆さまご存じの方も多いと思いますが、この8月にSBI証券が、同じS&P500指数への連動を目指す投資信託のSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドを発表しました。

これだけでも、Slim米国株式の口数の伸びに影響があると思いますが、投信ブロガーに衝撃を与えたのは、その信託報酬の低さでした。

なんと、年0.09264%程度(SBI証券のプレスリリースより)と、Slim米国株式の57%しかありませんでした。

この非常に戦略的な値付けに対して、いつもは有言実行ですぐに対抗値下げをする三菱UFJ国際投信株式会社(以下、三菱UFJ国際投信)が、これまでのところ対抗する様子を見せておらず、Slim米国株式の信託報酬の値下げがあるのかないのか、大人気の投資信託だけあって、投信ブロガーの間でもかなり話題になっているようです。

三菱UFJ国際投信が対抗値下げをすれば、 Slim米国株式の牙城は揺るがないでしょうが、対抗値下げをしない場合は、一気にSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドに市場を奪われる可能性もあります。

投資家は、そこを見極めるために、Slim米国株式の購入を保留している、あるいは対抗値下げはないと見極めて、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドに流れたというのが、私が考える総口数の伸びの鈍化の理由です。

6 終わりに

米国株式への投資は、国内株式への投資よりも、はるかに高いパフォーマンスが期待できるということで、投資家の間で非常に人気となっています。

特に、S&P500指数に連動した投資信託への投資は、投資の初心者にも容易で、かつ、長期的なリターンは鉄板であるとされています。

このような中で、Slim米国株式は一人勝ちかと思われましたが、ネット証券の雄であるSBI証券が思い切って勝負に出ました。

三菱UFJ国際投信にとっては、想定外だったかもしれませんが、このような競争は投資家にとっては非常に良いことですね。

バランスファンド派の私としては、外野から興味半分で見させていただくだけですが、どちらが勝つにしても、このような良質なファンドが、スタンダードな投資信託として売れ筋になるのが理想ですね。

今回はここまでです。ではまた。

※投資は自己責任でお願いします。