HIROBUNが投資信託を比較するブログ

グラフと表による「見える化」を通じて、投資信託を比較します。そして、優れたバランスファンドにより、すべての方にストレスなしの真のほったらかし投資を!

バランスファンド最大のメリットとは

こんにちは。HIROBUNです。

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

バランスファンドは全部を買っている

今回は私が考えるバランスファンド最大のメリットですが、それは言うまでもありませんが、全部を買っている安心感ですね。

結局、何が上がって何が下がるかなんて、普通は神様でもない限り分からないわけです(自分だけは分かると、みんな最低一度は思うのですが、本当に分かる?のはごく一部の方だけのようです)。

例えば、私が投資資金の全額を投入している野村7資産ですが、大きくは株式クラスと債権クラスとリートクラスが三分の一ずつ含まれています。

株式クラスはさらに国内株式と先進国株式、債権クラスは国内債券と先進国債券と新興国債券、リートクラスは国内リートと先進国リートに分かれます。

つまり、野村7資産には各資産クラスが9分の1~6分の1ずつ、バランスよく含まれていることになります。

しかも、このバランスは、野村證券の専門家が(恐らく)現代ポートフォリオ理論に則り、リバランスした場合も含めた最適なパフォーマンスを生む割合を、コンピュータでシミュレーションして決めているはずなんですね。

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このため、仮にある資産クラスが下落しても、その他の資産クラスは下落しなかったり上昇したりするので、その影響はかなり軽減されます。

さらに、野村7資産の特筆すべき長所としては、海外資産クラス全てに為替ヘッジが付いていることも挙げられます。

このことによって、株価下落時に円高になっても、債権価格の上昇を充分に享受でき、株価下落のショックを軽減できるわけです。

余談ですが、株式クラス(とリートクラス)に地雷?になることも多い新興国が含まれていないのが、何とも上品ですね。

実際、今回の株価下落も、正直、私にとっては家の中から外の嵐を見ているのに近いものがありました。投資をしてきてこんな気持になったのは初めてです。

でも、リスクは低いかもしれないけれど、リターンも低いでしょう?それじゃあ…という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、バランスファンドはリターンの低い資産クラスをただ含んでいるだけではありません。

バランスファンドには自動リバランスがある

それは何かというと、バランスファンドが持つもう一つのメリット、自動リバランスがあるからです。

リバランスは、高くなった資産クラス(例えば、先進国株式クラス)を売って、他の資産クラスを買うことで、リスクを平準化しコントロールすることですが、個別株の売買をしたことがある方ならお分かりのように、実はこれは利益確定と同じことになります。

なので、本当は、最も効果的にリバランスを行おうと思ったら、資産クラスの天井で売ったり底で買ったりする必要があるわけですが、言うは易し行うは難しで、大抵の投資家はタイミングを逃してしまいます。

そのことを百も承知しているインデックス投資ブロガーは、投資信託の初心者に対して、例えば1年に1回、定期的にリバランスを行うことを勧めています。

しかし、これではリスクは平準化できるかもしれませんが、偶然、資産クラスの天井や底に巡り合わない限り、利益確定として見た場合は中途半端な効果しか発揮されません。

具体的に例をあげます。

株式ファンドと債券ファンドを100万円ずつ買ったとします。

半年後、株式ファンドが150万円に値上がりしました。ここが天井だとします。

このままだとリスクの相対的に高い株式ファンドの割合が50%から60%に増えてしまうので、リバランスとして、株式ファンドの値上がり分50万円のうち25万円分を売却し、そのお金で債権ファンドを買います。

すると、資産全体としては株式ファンド125万円、債権ファンド125万円の計250万円に増えますが、リスクは最初の状態に戻ります。これがベストのタイミングでリバランスを行った場合の効果です。

しかし、リバランスは1年後と決めて株式ファンドをさらに半年持ち続けた結果、株式ファンドは120万円まで下がってしまったとします。ここで、上記のようにリバランスとして、株式ファンドの値上がり分20万円のうち10万円分を売却し、そのお金で債券ファンドを買います。

この場合は、資産全体としては株式ファンド110万円、債権ファンド110万円の計220万円にしかならず、30万円分を取りはぐれることになります。

もっとも、これでも資産が増えればまだよいほうであって、1年後に株式ファンドが逆に値下がりし、資産全体では減らしてしまう可能性も充分あるわけです。

では、このようなことを避けるには、どうすればよいでしょうか。

天井と底を見極める能力を身に付けられれば一番良いのですが、それができれば個別株で大儲けできます。

次善の策としては、リバランスを頻繁に行うこと、極端に言えばデイトレーダーのように毎日リバランスとして値上がりすれば売り、値下がりしたら買う方法が考えられますが、もちろん投資信託では不可能であり、それはバランスファンドでも同じです。

しかし、例えば野村7資産は毎月自動的にリバランスを行いますので、利益確定のチャンスは、1年に1回自分でリバランスを行うよりも12倍もあることになります。

これはバランスファンドの持つ大きなメリットであり、一旦購入したら、あとは追加購入も何もしなくても、極端に言えば購入したことを忘れてしまっても、自動的に資産が増えていくことが期待できます(これって最高じゃないですか?)。

さらに、個別ファンド同士のリバランスでは、売却益が出た場合に必ず20%課税されてしまいますので、これもリバランスは年1回が良いとされる理由の一つです。

しかし、バランスファンドの場合は、ファンド内部のリバランスですので無税であり、長期的にはリターンの一層の積み増しにつながります。

では、こんなにメリットの多いバランスファンドが初心者向けとされ、投信ブロガーの間でも主流とはなっていない理由は何なのでしょうか。

次回はこれについて書こうと思います。

※投資は自己責任でお願いします。