バランスファンドを比較してみる(セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド編)
こんにちは。HIROBUNです。
いつも当ブログをお読みいただき、ありがとうございます。
さて、今回は、いよいよ大御所ファンドの1つであるセゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(以下、セゾングロバラ)を取り上げます。
私の持っているセゾングロバラのイメージは、「ちょっと信託報酬は高いけれども、理論的には理想に近いバランスファンド」というものです。
かなり前からある投資信託あるにもかかわらず、今でも人気はトップクラスで、投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018では6位にランクインしています。
おすすめのバランスファンドとしてセゾングロバラを挙げているサイトもよく目にするところです。
私も、セゾングロバラをひたすら積み立て続けて成功したという方のブログを読んで感動したことがあります。
単に理論的に理想に近いファンドというだけでなく、販売会社であるセゾン投信代表の中野晴啓氏は、積立王子と呼ばれているように、インデックス投資のオピニオンリーダー、カリスマでもあります。
私は氏のお話を聞いたことはありませんが、記事になったものを読んだりすると、確かにまっとうな、素晴らしいことをおっしゃっています。
商売につなげる意図はあるにしても、何とか投資家を啓蒙しようとする氏の強い気持ちが伝わってきます。
果たして、セゾングロバラの今の姿はどうなのでしょうか。
初めに、ファンドの特色です。
主要投資対象は、国内外の株式及び債券。インデックス型の外国投資証券への投資を通じて、世界30カ国以上の株式および10カ国以上の債券に実質的に分散投資を行う。株式と債券の基本資産配分比率は、原則として50%ずつとする。原則として、為替ヘッジは行わない。ファンドオブファンズ方式で運用。12月決算。(引用元:モーニングスター)
ローコスト・ハイクオリティ運用で定評のあるバンガードのインデックスファンドに投資することにより低いコストを実現。投資対象ファンドへの資産分配比率は、各地域の株式および債券市場の時価総額を勘案して決定。(引用元:セゾン投信HP)
設定日は2007年3月ですが、10年以上前に、今をときめく?バンガードのインデックスファンドへの投資を通じて、全世界の株式と債券に対して、理論的にもっとも正しいとされる時価総額を勘案した分散投資を行う投資信託を設定したのです。
これは、素直にすごいことだと思います。上にも書きましたが、いわばインデックス投資のお手本のようなファンドだったと思います。
また、投資家からの人気の高さを反映して、純資産は1,800億円以上もあります。これは、インデックス型バランスファンドの中では最大です。
次に、グラフです。
セゾングロバラは、紺色の線です。下から2番目となっており、残念ながらリターンはマイナスとなっています。
続いて、表です。
年間リターンはやはりマイナスで、上から2番めに高い信託報酬がさらにリターンを引き下げています。
年間標準偏差も、11%台と高いほうのグループに入っています(ちなみに、年間標準偏差が11%台のバランスファンドは、すべて年間リターンがマイナスです)。
年間リターンが振るわない大きな理由は、次の資産クラス別ファンドの基準価額変動率推移グラフで簡単に説明できます。
一番大きく上昇したのが、青色の線の国内リート、次に上昇したのが紫色の線の先進国リートでした。
つまり、リートクラスを含むバランスファンドは、その影響を受けて年間リターンが良く、含まなかったバランスファンドは、その影響を受けられなかったので年間リターンが悪かったわけです。
そして、お察しのとおり、年間リターンが7位のセゾングロバラと8位の世界経済インデックスファンドは、リートクラスを全く含んでおりません。
ちなみに、リートクラスの割合は年間リターンの1位と2位が33%、3位と4位が25%、5位と6位が20%でした。
リートクラスについては、セゾングロバラを設定した当時は、まだ市場規模が小さいなど、未成熟だったので、ファンドに取り込まなかったのかもしれません。
また、株式ファンドの下落率は、債券ファンドの上昇率の1.7~3倍もあるのに、株式ファンドと債券ファンドの割合が同じことも、今となっては合理的なのか疑問もあるところです。
最後に、参考にセゾングロバラの純資産の推移を見てみます。
昨年の秋から冬にかけて80億円以上も減少した時期がありますが、その後は盛り返し、多少の増減はあっても、基本的に純資産は増え続けています。
さすがのブランド力と言えるかもしれません。
しかし、前回も書きましたが、個人投資家は、いくらほったらかし投資とは言っても、自分の購入しているファンドのアセット・アロケーションが時代遅れになっていないかは常に意識しておいたほうが良いと思います。
また、セゾン投信に対しては、販売を自社に限定することで投資家を囲い込み、啓蒙することで販売額や純資産を増やすことよりも、他のネット証券などにも販路を広げ、他の投資信託と同じ土俵で戦いながら、販売額や純資産の増加を目指していただきたいと考えています。
そのうえで、今のままでは競争を勝ち抜くことが難しい場合は、信託報酬の一層の引き下げや、さらに一歩進んで、リートクラスも含む新たなファンドの創設などを検討していただくと、セゾン投信の未来は明るいのではないでしょうか。
今回はここまでです。ではまた。
※投資は自己責任でお願いします。