バランスファンドを比較してみる(SMTインデックスバランス・オープン編)
こんにちは。HIROBUNです。
いつも当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。
昨日も熱中症になるくらい暑かったですね。台風による千葉県の停電が1日も早く復旧することをお祈りしております。
さて、今回はバランスファンドの比較の6回目として、SMTインデックスバランス・オープン(以下、SMTオープン)を取り上げます。純資産は28億円、2014年11月の設定ですので、すごく売れているというファンドというわけではないですね。
早速ですが、ファンドの特色です。
主要投資対象は、世界の株式、債券及び不動産投資信託証券(REIT)。基本資産配分比率は、原則として株式40%、債券40%、REIT20%とする。地域別(国内、先進国及び新興国)の基本組入比率は世界経済に占める各地域のGDPシェアの変化に応じて、原則、年1回見直しを行う。原則として、為替ヘッジは行わない。ファミリーファンド方式で運用。4、10月決算。(引用元:モーニングスター)
株式クラスと債券クラスが40%ずつ、リートクラスが20%というのは、前回比較したSBIオープンの資産配分と同じですが、その中身を見るとかなり様子が違います。
SMTオープンの資産配分の特徴は、とにかく国内資産の割合が小さく、すべての資産クラスを合計しても10%しかないことです。
これは、ファンドの特色の説明にもありましたように、各資産クラスごとの配分を、GDP比率で行っているためですね。日本1国に対して、先進国や新興国は多数の国からなりますので、当然、国内資産の割合は小さくなるわけです。
株式、債券、リートの各資産クラスの合計を地域別に見ると、最も大きい先進国資産が60%、次に新興国資産が30%、そして国内資産が10%となっています。
また、リートクラスには新興国リートが含まれ、8資産均等ファンドよりも多い9つもの資産に配分していることも、SMTオープンの持つ特徴です。
こういう意欲的?な資産配分は面白いですね。
次にグラフです。
SMTオープンは、6番目(3,4番目は重なっています)の紫色の線です。残念ながら100%のラインには届いておらず、リターンはマイナスとなっています。
続いて表です。
最近の株価持ち直しで、信託報酬を差し引く前の年間リターンでは、上記8つのバランスファンドのうち5つまでがプラスに転じましたが、グラフでも見ましたとおり、SMTオープンはまだマイナスです。
また、年間標準偏差もわずかですが一番大きく、バランスファンドとしては決してローリスクなほうではありません。
また、純資産28億円は将来的な早期償還の可能性もゼロではない資産規模ですので、念のため、純資産の推移をグラフで見てみます。
おっと、心配したとおりでしたね。27億5千万円のラインで持ちこたえてはいますが、反発力は弱まっており、全体としては右肩下がりになっています。このままだと、早期償還の可能性が本当に出てきてしまうかもしれません。
以上、SMTオープンを見てきましたが、資産配分の方針など、非常に意欲的なのに、残念ながらそれが実績につながっておらず、ちゃんと考えたのかと、バックテストはしたのかと、小1時間問い詰めたいと言ったら言いすぎでしょうか。
また、資産配分を時価総額比率ではなく、GDP比率で行っていることについても、合理性がどれだけあるのか、検討し直せるのなら、そうしたほうが良いようにも思います。
もっとも、私は、一般的に正しいとされている時価総額比率による資産配分についても疑問を持っています。GDP比率による資産配分でもそうですが、地域によって資産の配分割合に大きな差が出るため、バランスファンドのメリットである各資産クラスの分散効果や相関効果がうまく発揮されないと考えるからです。
例えば、SMTオープンの場合、ファンドの60%を占める先進国資産が暴落したとき、新興国資産や国内資産ではカバー出来ません。また、仮に国内資産が高騰したとしても、ファンド全体の上昇に資するのは10%に過ぎず、それほど意味はないわけです。
その点、直感的ですが、各資産クラスを均等に配分するファンドのほうが、分散効果や相関効果は発揮されやすいように思います。
いずれにしても、自分の購入しているファンドのアセット・アロケーションが時代遅れになっていないか、市場の動きにちゃんと対応できているかを常に意識しておくことは、たとえほったらかし投資とはいえども重要なことだと考えます。
今回はここまでです。ではまた。
※投資は自己責任でお願いします。