【ベストバイストック2019】私が野村インデックスF・内外7資産バランス・H型を選んだ理由
こんにちは。HIROBUNです。
ブログの更新を1か月以上もさぼっており、大変申し訳ありませんでした(ツイッターのほうはチョコチョコ書いていました汗)。
今回はそのツイッターやブログで活躍されている、氷河期ブログ管理人の「ななし」さん主催のベストバイストック2019に参加する記事となります。
この企画は12月の1か月間、日替わりで投資ブロガーの方々が、自分がベストバイと考える金融商品について記事を書くという、大変興味深いものでしたので、私も積極的に参加させていただいたものです。
有名ブロガーも参加する、なんとも贅沢なこの企画、ぜひ次のリンクからお楽しみください。
今年のベストバイストック Advent Calendar 2019 - Adventar
昨日の記事は、Masamiさんのほんのひとさじ ゆるゆる過ごす日々と投資の記録の【ベストバイストック2019 7日目】でした。日経電子版にインタビューされたり、別のブログ記事ではムサコ会に14回参加されるなど、堅実かつ積極的な投資活動をされている方だなあとの印象を受けました。
また、私のブログも丁寧にご紹介いただいており、感謝しております。
さて、それでは早速ですが、8日目になる私の当番記事を書いてまいります。
1 ベストバイについて
私のベストバイですが、すでにこのブログではしつこいほど書いていて恐縮ですが、バランスファンドである野村インデックスF・内外7資産バランス・H型(以下、野村7資産)です。現在、投資資金の全額をこのファンド1本で運用しています。
しかし、実は直前まで、旬?のグローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)に半分浮気して、この記事も同ファンドで書こうとしていたのですが、金利が急騰すると現金部分が吹き飛ぶリスクがあるのに、運用会社はそのリスクを想定していないことが分かりましたので、やめました(売りました笑)。
当記事では、まずバランスファンドを選んだ理由から書きます。
2 バランスファンドを選んだ理由
バランスファンドは投資の初心者向けとも言われており、目利きの投資家には選ばれない傾向もあるようですが、私はむしろ積極的に選びました(なお、最終的に背中を押してくださったのはむしとり小僧さんのブログです)。
その理由は、これまでも書いてきましたが、まとめると次のとおりです。
- 代表的な8資産には、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、先進国リートがあるが、毎年、どの資産クラスのパフォーマンスが一番良いかは誰にも分からないこと(参考:モーニングスターの資産クラス別リターン)。その点、バランスファンドには、賛否はあるがすべてを買っている安心感があること。
- 投資先として一番人気がある株式は、投資信託になっても暴落するリスクがあること。このため、株式と逆相関になると言われる債券などを買って、可能な限りリスクを下げたかったこと。
- 各資産に投資するバランスファンドなら、仮に基準価額が下落したとしても、資金が一時的に現金に逃げているだけと考えることができ、現金はそのままではリターンを生まないことから、資金はいずれ各資産に戻ってくると達観できること。
- リスク資産と無リスク資産の比率や、一括投資と積立投資のどちらにするかに悩みたくなかったこと(最終的に投資用資金の全額一括投資+積立投資による追加を選択)。
- 1990年にノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコウィッツは、自らが提唱した現代ポートフォリオ理論で、投資家は複数の資産に分散投資する(ポートフォリオを組む)ことにより、分散効果と相関効果の組合せで、投資のリスクだけを減らして確実に期待収益を得ることができることを証明したこと(そのポートフォリオのリターンは、構成要素となっている銘柄のリターンの加重平均であるが、リスクは各銘柄のリスクの加重平均よりも小さくなる)(野口,2016)。
- 投資にできるだけ時間や労力を割かなくて済むよう、機械的な投資やほったらかし投資がしたかったこと。バランスファンドは自動リバランスにより、ファンドの内部で自動的に高くなった資産を売って、安くなった資産を買い、しかも売却益には基本的に課税されないため、ファンドの内部に自動的に利益が蓄積されていくことが期待できること。これにより、真のほったらかし投資が実現できること。
色々と書きましたが、個別株投資なども行った結果、長期の投資において、どうやら自分がバランスファンドを超えるリターンを上げられることはなさそうだと思ったことが大きいです(笑)。
実際、今でも株が大きく下げたときなどに野村7資産があまり下げなかったりすると、うーんさすがだと唸ってしまいます(情けない)。
3 野村7資産を選んだ理由
次に、野村7資産を選んだ理由ですが、これまで何度も書いてきましたが、まとめると次のとおりです。
- レバレッジ型を除くバランスファンドの中で、最もリターンが良い。
- バランスファンドの中で、最も標準偏差(リスク)が小さい。
- したがって、レバレッジ型を除くバランスファンドの中で、最もシャープレシオが高い。
以上をグラフと表で示すと次のとおりです(なお、Yahoo!ファイナンスの仕様変更によりデータの取得が困難となったため、時点が若干古いことをお許しください。最新データは「5 野村7資産の最新パフォーマンス」でお示しします)。
リターンは期間のとり方で大きく変わるため、はっきり申し上げて水物なのですが、標準偏差の順位は継続してほとんど変わりません。このため、私はファンドのパフォーマンスを比較する際は、標準偏差が小さいこと、次にリターンが高いことを重視しています。
また、グラフでも、野村7資産は他のバランスファンドに比べて標準偏差が小さい=グラフの凹凸が明らかに少ないことがお分かりかと思います。
なお、同じ基準で、野村7資産とFund of the Year 2018にランキングされた投資信託+αとを比較した記事も書いています。
4 野村7資産の特色
(1) 資産配分
内外の株式およびREIT、内外および新興国の債券を主要投資対象とし、各株式および各REITに1/6ずつ、各債券に1/9ずつの基本投資割合で投資。原則として毎月、リバランスを行い、各資産の対象指数の月次リターンに、各資産への基本投資割合を掛け合わせた合成指数に連動する投資成果を目指す。原則として為替ヘッジを行う。ファミリーファンド方式で運用。9月決算。(引用元:モーニングスター)
株式と債券とリート(不動産)の割合が、ちょうど3分の1ずつとなっています。資産三分法※の考え方と同じですね。新興国は債券だけに投資し、株式には投資していないのも特徴です。
※資産三分法
資産(財産)を異なる性質を持つ3つの資産に分けて投資(保有)するというポートフォリオ理論です。一般には、「現金」「土地」「株」を指す場合が多いようです。一つの性質を持つ資産に投資をしていると、何らかの不確実性(リスク)により大きな損失を出す可能性があるため、投資先を分散することでリスクが分散されるという考え方です。(引用元:カブドットコム証券)
(2) 資産配分についての考え
上記の資産配分については、期待リターンの高い株式の割合が小さすぎるのではとか、リートの割合が大きすぎるのではといった意見もあると思います。
しかし、私は上で野村7資産を選んだ理由に書いたことは、この資産配分(アセット・アロケーション)によって、各資産の分散効果と相関効果がちゃんと発揮された結果であると考えています。
例えば、上記の「3 野村7資産を選んだ理由」で示したグラフを見ていただきたいのですが、2019年4月と同年5月の間で、野村7資産のグラフだけが緩やかな下落になっています。同年7月から8月の間でも、野村7資産のグラフだけがほとんど下落していません。そして、野村7資産のグラフが最も高いパフォーマンスを示しており、それはグラフの下の表でも明らかです。
ファンドのパフォーマンスの8~9割は資産配分で決まると言われていますが、実際に、上記のグラフや表の傾向は今後も継続する(他のファンドが逆転することは難しい)と私は考えています。
また、例えば、期待リターンが高いと言われる株式の割合を6割とし、債券とリートの割合を2割ずつとします。
この場合、株式が大きく下落すると、債券とリートで十分にヘッジすることはできません。リートが大きく上昇したとしても、ファンドのパフォーマンスに与える影響は限られたものです。
このように考えてくると、株式と債券とリートが3分の1ずつという野村7資産の割合は、私には理想的に思われるわけです(もっとも、オール・シーズンズ戦略で有名なレイ・ダリオは株式をヘッジするには3倍の債券が必要と述べているようですが・・・)。
(3) 為替ヘッジについての考え
野村7資産は、海外資産について為替ヘッジを行っています。
このことによって、株式価格の下落時に円高になったとしても、逆相関となることの多い海外債権価格の上昇を充分に享受でき、株式価格下落のショックを軽減できます。
これが為替ヘッジがついていないと、せっかくの海外債権価格の上昇が円高で相殺され、最悪の場合、株式価格下落のショックが全く軽減されないことになります。
なお、この為替ヘッジのメリットは、信託報酬を始めとするコスト増の原因となるとして、インデックス投資家にはあまり評価されていないようです。
5 野村7資産の最新パフォーマンス
次に、野村7資産の最新のパフォーマンスをグラフと表で示します。
なお、より具体的にパフォーマンスが伝わるよう、FOY2018第1位のeMAXIS Slim先進国株式インデックス(以下、slim先進国株式)、代表的バランスファンドのeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)(以下、slim8資産)、パフォーマンスで野村7資産に次ぐバランスファンドである野村6資産均等バランス(以下、野村6資産)を、比較対象ファンドとして一緒に示します。
(1) 基準価額変動率の推移
野村7資産は紫色の線です。比較対象としたslim8資産や野村6資産と比べ、リターンが高く、グラフの凹凸がより少ないことが分かります。
なお、青色の線のslim先進国株式は、3つのバランスファンドを大きく上回るパフォーマンスとなっていますが、これは2018年12月に株式が大きく下落したことが大きな原因です。
株式は大きく下落したときに買えば、このようなパフォーマンスが実現できますが、実際にはそれが言うほど簡単でないことは、投資経験者の皆様なら十分にお分かりだと思います。
(2) リターンとリスク
グラフでもご覧いただきましたが、バランスファンドの中では野村7資産が標準偏差が一番小さく、リターンは一番高くなっており、結果としてシャープレシオも一番となっています。
また、野村6資産のパフォーマンスがかなり接近していますが、野村7資産との違いは、野村6資産の債券には新興国債券が含まれていないことと、海外資産に為替ヘッジが付かないことくらいなので、信託報酬の低さを重視する場合は、こちらもオススメです。
なお、多くのインデックス投資家のみなさんが、野村7資産の信託報酬がslim8資産の3倍以上あることを理由に、野村7資産を選択していませんが、私は、信託報酬はリターンとの関係で捉えればよいと考えています。つまり、信託報酬が高くても、それ以上にリターンが高ければ、そしてそれが継続するのであれば、特段問題はないという立場です。
(3) 純資産の推移
純資産は総じて右肩上がりです。2019年5月まではジリジリと増えた感じでしたが、それ以降は増加速度を早め、繰上償還のリスクが下がる100億円を超えた8月以降は更に加速しました。
12月については、まだ5営業日しか経っていませんし、基準価額が少し下がりましたので、こんなものでしょう。
(4) 総口数の推移
総口数は2019年1月から2月にかけて少し減少しましたが、それ以降は4月までわずかに増加、4月以降は増加の速度を早め、9月以降は更に加速しました。
12月についても、引き続き順調に増加しています。
なお、基準価額の変動は、総口数の増加にあまり影響がないようです。
6 その他
4(1)の資産配分で少し触れましたが、野村7資産は新興国株式には投資していません。
このことをどう考えるかですが、新興国株式は、国内株式や先進国株式よりも標準偏差が大きいため、野村7資産が新興国株式に投資して8資産とすることを選択しなかったことは賢明な判断だったと考えています。
一方で、積立投資と相性が良いのは、実は標準偏差が大きい資産であり、これにはまさしく新興国株式が該当するため、野村7資産で欠けている資産を補う意味も込めて、私はiDeCoではeMAXIS Slim新興国株式インデックスを選択しました。
なお、上記の選択の際は、ムササビ親分さんのブログ「負けない資産運用の王道」の記事「【シミュレーション比較】積立投資に最適な資産は一括投資とこんなにも違う訳」を参考にさせていただきました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
7 おわりに
せっかくなので、可能な限り全部の要素を盛り込もうと思ったら、予想以上に長い記事となってしまいました。ここまでお付き合いいただきました読者の皆様は、大変お疲れさまでした。
投資をやっている方は皆同じだと思うのですが、投資した後になって、自分の選択が果たして最善手だったのかということが、どうしても気になってきます。一旦は自分を納得させても、いやいや、やっぱり◯◯のほうが良かったかな?などとつい考えてしまうわけですね。
そして、その挙げ句、例えば投資信託であれば、いろいろな銘柄をとっかえひっかえしてしまったり、後で収集がつかなくなるほど多くの銘柄を買ってしまったりするわけです。
私の場合、幸い、Excelで投資信託の月間の基準価額からグラフ化したり、標準偏差やリターンを計算したりすることで、ある程度客観的な物差しを持てたので、自分で最善と思える投資信託を選ぶことができたと思っています(なんて、偉そうに書きましたが、冒頭にも書きましたとおり、グロ3を買ってすぐ売却したように私にも迷いが生じることはあります。所詮、素人投資家ですので笑)。
そして、次に思ったのが、こんなに良いもの(野村7資産のことです)がなぜ、世の中にあまり知られていないのだろうということでした。
もちろん、これには理由があって、運用会社の野村アセットマネジメントが積極的にPRしないからですね。こればかり売れて、他のもっと信託報酬が高い投資信託が売れなくなると、会社としてはやっていかれなくなるからです。
だったら、自分の物差しと一緒に紹介すれば、助かる人もいるんじゃないかなと思って始めたのがこのブログです。
しかし、ご多分にもれず、当初の意気込みは60記事程度で息切れし、お休みする期間が長くなっておりますが、まだまだ止めるつもりはありません(笑)。
いつか、当ブログが投資でお悩みの皆様の目にもっと止まるよう、長期投資と同じく息の長いスタンスで取り組んでいこうと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
今回はここまでです。ではまた。
明日は、ジロ@つもり貯金で端株投資中さんの記事です。端株(単元未満株)制度を利用して、将来のじぶん年金を作ることを目的としたブログ「Jiroの端株投資奮闘記」を運営されています。
お楽しみに!
※投資は自己責任でお願いします。