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【低リスクですが】結い2101を比較してみる

こんにちは。HIROBUNです。

いつも当ブログをご利用いただき、ありがとうございます。

さて、今回は、Yahoo!ファイナンスのアクセス数から、人気ファンドの結い2101を取り上げます。運用会社である鎌倉投信も有名ですね。

結い2101は、以前にも取り上げました。

indexhikaku.hatenablog.jp

このときは、ひふみ投信、コモンズ30ファンドと比べて、結い2101が優位にあることを記事に書きましたが、今回はどうでしょうか。

1 ファンドの特色

主要投資対象は、国内外の金融商品取引所上場株式(上場予定予定を含む)および未上場株式。主として国内の株式市場の中で、投資家の長期的な資産形成と社会の持続的発展に貢献できる企業を対象として、その時点で市場価値が割安であると考えられる銘柄を選別し、長期的に分散投資する。原則として、為替ヘッジは行わない。7月決算。(引用元:モーニングスター

資産配分は次のとおりです。

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(引用元:交付目論見書)

上段右側の主要な資産の状況ですが、あまり聞いたことのない企業名も並んでいます。投資比率1位のKOAは固定抵抗器で世界首位級の企業とのことです。

モーニングスターのカテゴリーでは国内小型グロースとなっています。

また、目を引くのは下段右側の組入構成比率です。

株式が占める割合が6割しかありません。残りの4割は債券とコールローン、その他となっています。そこで、コールローンについて調べてみました。

コールローンとは、短期市場における資金の貸し手側から見た運用資金のこと。極めて短期(通常1日)の資金をやりとりするコール市場において、資金の貸し借りが行われるが、その際の貸し手側から見たお金をコールローンといい、借り手側から見るお金をコールマネーという。投資信託の場合、短期の資金運用としてコールローンが活用される。(出典:(社)投資信託協会

要するに、債券と、短期の債券や現金に近いものが4割を占めているものと思われます。

2 基準価額変動率の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

紫色の線が結い2101です。

直近の基準価額は青色の線の国内株式ファンドをかろうじて上回る程度でしたが、その前の月までは、国内株式ファンドを上回るパフォーマンスとなっていました。

基準価額の変動が、国内株式ファンドよりも小さいことも目を引きます。

3 リターンとリスク

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(出典:Yahoo!ファイナンス

結い2101は、年間リターンはマイナスでしたが、国内株式ファンドと比較すると若干リターンが上回りました。

しかし、それもインデックス型の国内株式ファンドよりも大幅に高い信託報酬を差し引くと、逆に国内株式ファンドを下回るパフォーマンスとなってしまいます。

また、年間標準偏差は国内株式ファンドよりも大幅に低く、上記5つのファンドの中では、バランスファンドに迫るレベルとなっています。

これには、ファンド全体に占める株式の割合が6割しかないということも、大きく影響しているものと考えます。

4 純資産の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

2018年2月の340億円超から同年9月の390億円超まで、一気に50億円以上増加しましたが、2018年12月にいったん360億円超まで下落し、その後は390億円前後を天井として、上昇と下落を繰り返しています。

5 総口数の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

2018年2月の175億口から2019年3月の210億口まで、ほぼ一直線に増加しましたが、なぜか、2019年4月にかけていったん下落し、その後、再び現在まで増加を続けています。

この2019年3~4月の5億口の減少の理由ですが、その間の結い2101の基準価額を見ると上昇はしていますが、他の株式クラスのファンドよりは上昇率が低かった(グラフの傾きが緩やかだった)ことが分かります。

これは、債券や現金の比率が4割あることの影響だったと思われます。ここからはあくまでも推測ですが、投資家がこの間の結い2101のパフォーマンスが、他の株式クラスの投資信託よりも劣っていたことを嫌気したせいなのかもしれません。

終わりに

結い2101は、投資家の長期的な資産形成と社会の持続的発展に貢献できる企業を対象として分散投資を行うという方針が投資家に支持されて、総口数の推移を見ても、かなりの人気ファンドとなっています。

また、実際のリターンも、インデックス型の国内株式ファンドと大差なく、一方でリスクはかなり低くなっていて、投資家にとっては安心できる投資信託の一つとなっているのかもしれません。

しかし、もし私が結い2101を購入していたとしたら、貴重な資金を預けて運用してもらうからには、いくら国内株式市場全体のパフォーマンスが振るわなかったとしても、何とかしてプラスのリターンを出してほしいと思ったでしょう。

また、信託報酬を差し引いた後の年間リターンが、インデックス型の国内株式ファンドより低いことを知ったら、失敗したと思うかもしれません。

つまり、アクティブファンドは、投資家の期待に応えるためにも、まずは実際のパフォーマンスをプラスにする、それもインデックスファンドよりもプラスにすることが、何よりも重要だと私は思います。

一言で言えば、他人に自信を持って勧められますか?という話です。

 今回はここまでです。ではまた。

※投資は自己責任でお願いします。