HIROBUNが投資信託を比較するブログ

グラフと表による「見える化」を通じて、投資信託を比較します。そして、優れたバランスファンドにより、すべての方にストレスなしの真のほったらかし投資を!

長期・積立・分散は再考の余地あり!

こんにちは。HIROBUNです。

いつもお読みくださり、ありがとうございます。

私は投資経験は長さも量もさほどありませんが、それなりに良い勉強ができ、自分の頭でも考えた結果、他の方より少しだけ先んじた投資法にたどり着いたかも?というささやかな自負があります。

で、そのことをもしお伝えすることができれば、自分もさんざん悩んだことですので、もしかしたら喜ぶ人もいらっしゃるのではないかなと考え、このブログを始めたわけです。

さて、今日のテーマですが、投資の基本として、呪文のように唱えられている「長期・積立・分散」です。

実は、私は今まで「長期・分散・積立」の順に覚えていたのですが、検索すると上記の言葉の順番でした。

これって重要性の順番なのかなと思ったので、とりあえず通常の日本語に直してみることにします。

「長期・積立・分散」は、「長期で積み立てよう。分散して。」でしょうか。何だか、日本語としてしっくり来ないような気がしますね。

「長期・分散・積立」は「長期で、分散して、積み立てよう。」ですね。このほうが日本語としてはしっくり来るような気がします。だから、その順番で覚えていたんですね。

で、結論から書きますと、私は長期と分散が重要であることには、基本的には賛成します。しかし、積立をそれらと同列に並べることには、はっきり言って反対です。なぜでしょうか。ここでは「長期・分散・積立」の順で書いていきます。

長期について

これは投資をされている方なら、恐らく皆様ご存知だと思いますが、複利の効果があるからですね。アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだそうです。グラフで示してみます。

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最初に1,000万円を投資し、年平均5%で運用できた場合、追加投資を行わなくても10年後には1,600万円以上に、20年後には2,600万円以上にもなります。しかも、グラフをよく見ていただくとお分かりのとおり上に少し反っており、金額の上昇はあとになるほど大きくなります。

仮に最後の年に50%の大暴落があったとしても、2,600万円→1,300万円ですから(インフレを考慮しなければですが)損はしません。

だから、できるだけ早くから長期の投資を心がけることは投資の鉄則と言って良いでしょうね。

分散について

分散には、資産クラスの分散と地域的な分散があります(これに時間的な分散も加えますが、これは積立のことです)。

まず資産クラスの分散ですが、代表的な資産クラスには、株式、債権、不動産(リート)があります。これらの資産クラスの価格が一斉に下落することは通常ないため、下落リスクの分散を図ることが出来ます(分散効果)。また、それぞれの資産クラスの価格の動きは異なるため、ある資産クラスの価格が下落しても、別の資産クラスの価格が逆に動いてそのショックをやわらげたり、打ち消したりすることが出来ます(相関効果)。ただし、投資信託によってはリートを入れないものもありますので、どこまで資産を分散するのかについては、必ずしも結論が出ているわけではないようです。

次に地域的な分散ですが、国内(日本)、先進国、新興国とありますが、長期的には先進国と新興国のどちらが今よりも発展しているのかは、誰にも分からないわけです(国内を入れないのは…お察しください)。

だから地域的な分散が重要なこと自体は私も賛成なのですが、反対意見として、新興国がいくら発展しても、その分の利益は今後も先進国(の世界的な企業等)が吸い上げるため、新興国への投資は不要とする意見もあることは知っていたほうがよいとは思います。

積立について

実は私は、この部分に日本の投資業界の、言葉は非常にきついですが、欺瞞が象徴的に現れていると思っています。まず、次のグラフをご覧ください。

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青い線が、最初に1,000万円を年間リターン5%で一括投資した場合の20年間の複利効果です。先にお見せしたグラフと同じものです。そして、オレンジの線が、最初の5年間、毎年200万円ずつ積立投資した場合の20年間の複利効果です。こちらも年間リターンは5%です。

積立投資は一回も一括投資を上回ることなく、しかも、5年目以降、その差はどんどん開いていきます(グラフの例では5年目の115万円が20年目は240万円)。

(なお、積立投資はドルコスト平均法とも呼ばれています。投資信託を定期的に定額購入することで、高いときには少なく買い、安いときには多く買うことができることから、リスクの平準化ができるとして、ドルコスト平均法積立投資を初心者に勧める際の殺し文句として有名投信ブロガーの間でも盛んに使われています。)

どうでしょうか。今まで、皆さんはこういうグラフをほとんど目にされたことがなかったのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。

代わりに示されるグラフは、一括投資よりも積立投資が有利になる場合のものが多いですね。例えば「投資の基本:金融庁」最下段のグラフです。最初に下落が続いても、あとで上昇すればトータルではプラスになるというグラフですね。このグラフでは確かに一括投資よりも積立投資が有利になります。

しかし、これはこういうこともあるというレベルのグラフであって、初心者を安心させて、何とか積立投資をさせようとする意図が露骨すぎます。本当に監督官庁なのでしょうか?

確率的には上記の私が作成したグラフのように、一括投資のほうが積立投資よりも有利になる場合が圧倒的に多い(このことは多くの積立投資派の投信ブロガーもこっそり?認めています)のですから、特に公的機関中の公的機関である金融庁としては、投資を勉強した者も納得するような、一にも二にも公平で正確な情報提供を心がけて欲しいと強く思います。

蛇足ですが、積立投資は、先ほどの金融庁の谷型のグラフとは反対に、前半は上昇して、後半は下落する山型のグラフだと大損します。さらに、まとまった金額を持ちながら、一括投資ではなく、某著名ブロガーが推奨するように、あえて積立投資をしようとすると、上の私のグラフのように大きな機会損失が生じますことに気をつけていただきたいと存じます。

それではまた。

※投資は自己責任でお願いします。