HIROBUNが投資信託を比較するブログ

グラフと表による「見える化」を通じて、投資信託を比較します。そして、優れたバランスファンドにより、すべての方にストレスなしの真のほったらかし投資を!

野村 PIMCO・世界インカム戦略ファンドA(SMA・EW)を比較してみる

こんにちは。週末の台風と停電が怖くて、Amazonでポータブル電源を買ったHIROBUNです。

前回の記事からだいぶ日にちが空いて申し訳ありませんでした。

さて、突然ですが、これまでYahoo!ファイナンスの1日あたりアクセス数上位の投資信託から、取り上げる投資信託を選んでまいりました。

しかし、最近1日あたりのアクセス数だと、順位の変動が大きすぎると感じるようになりました。

具体的には、前日にグラフ等の下準備をしても、当日は順位が大きく下がっていたりして、取り上げる投資信託を変更したこともありました。

ということで、上記の方針をやや修正し、今後はYahoo!ファイナンスの資金流出入上位から取り上げる投資信託を選ぼうと思います。

これだと1か月あたりのランキングですので、順位の変動はかなりマイルドになると思います。

また、投資信託を購入しようとしている方の注意喚起を図る意味もあると考えるため、資金流出上位の投資信託も平等に取り上げていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

では、前置きが長くなりましたが、今回は、資金流入上位の野村 PIMCO・世界インカム戦略ファンドA(SMA・EW)を取り上げます。

で、いきなり横道にそれて申し訳ないのですが、投資信託の名前は長いものが多いので、私はブログではいつも略してしまうのですが、この投資信託は困りました。

モーニングスターで野村 PIMCO・世界インカムを検索すると、8本もヒットします。しかも、Aが2本、Bが2本、C、D、E、Fが各1本あるんですね。

困った結果、今回は野村世界インカムA(S)としました。あまりうまく省略できていないのはご容赦ください(笑)。

1 ファンドの特色

投資一任口座専用ファンド。世界各国(新興国を含む)の債券等(国債、政府機関債、社債モーゲージ証券資産担保証券、ハイ・イールド債券、企業向け貸付債権(バンクローン)等)および派生商品等を実質的な主要投資対象とする。運用にあたっては、「ピムコジャパンリミテッド」に、運用の指図に関する権限の一部を委託する。原則として為替ヘッジを行う。ファンドオブファンズ方式で運用。12月決算。(引用元:モーニングスター

素人投資家は、まず投資一任口座専用ファンドで引っかかりましたので、早速調べてみました。

投資一任契約とは、投資運用業者が投資家から投資判断の全部または一部を一任され、その投資判断に基づき投資を行うための権限を委託されることを内容とする契約のことです。投資一任契約を締結したラップ口座サービスでは、この契約に基づいた資産配分構築や、株式、投資信託などの売買判断の一任、売買の注文執行、定期的な報告などが提供されます。

ファンドラップは投資信託を通じてお客様の資産を投資一任運用する包括的サービスですが、これを利用する際は証券会社との間で投資一任契約を結ぶ必要があります。(以上、SMBC日興証券のHPより)

要するに、野村證券が「お客様のお考えをもとに、お客様にかわり、資産運用をする」野村のラップ口座でしか買えない投資信託ということですね。

資産配分は次のとおりです。

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(引用元:交付目論見書)

 世界各国とのことですが、上位は米国の各種債券が占めています。

2 基準価額変動率の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

野村世界インカムA(S)は紫色の線です。 

なだらかに上昇しており、国内債券ファンドや先進国債券ファンドと同じような傾向です。

新興国債券ファンドに対しては、アンダーパフォームする期間が多いですね。

3 リターンとリスク

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(出典:Yahoo!ファイナンス

野村世界インカムA(S)のシャープレシオは、5ファンドの中で一番良いですが、年間リターン、年間標準偏差とも、国内債券ファンド及び先進国債券ファンドとあまり差がありません。

新興国債券ファンドには、やはり年間リターンで大きく差をつけられています。

インデックスファンドの数倍ある信託報酬は、個人的には受け入れかねますが、全部おまかせで、低コストインデックスファンドと同じリターンなら良しとする顧客は、特に富裕層には多いような気もします。 

4 純資産の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

19か月前の1,200億円超から現在の2,200億円超まで、やや停滞した時期もありましたが、基本的には順調に純資産額が増えています。 

5 総口数の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

総口数は赤色の線ですが、19か月前の1,200億口超から現在の2,100億口超まで、こちらもやや停滞した時期がありましたが、基本的には順調に総口数が増えています。

青色の線の基準価額の下落時でも、ほとんど総口数の減少は見られませんでしたが、これが投資一任契約の効果なのでしょうか、それとも野村證券の営業力なのでしょうか。ちょっと分かりません。

6 終わりに

野村世界インカムA(S)は、債券ファンドとしては信託報酬が割高ですし、ファンドラップということで、特にインデックス投資家には全く見向きされないファンドだと思います。

私としても、ファンドラップを契約するような方には、もっと低コストで、もっと良いインデックスファンドがあることや、一つのファンドであらゆる資産クラスに投資できるバランスファンドがあることを、当ブログでお伝えしていきたいと考えています。

ファンドラップのような商売が成り立たなく日が1日も早く来るといいなと、そのためにわずかでも貢献できたらいいなと、あらためて思いましたね。

今回はここまでです。ではまた。

※投資は自己責任でお願いします。

【タイミング売買向き】日経225ノーロードオープンを比較してみる

こんにちは。HIROBUNです。

さて、今回はYahoo!ファイナンスのアクセス数上位の投資信託から、日経225ノーロードオープン(以下、日経225)を取り上げます。

アクセス数上位ということは、注目ファンドといってよいと思いますが、日経平均に連動する投資信託って、今でもそんなに人気があるのかなと最初は思いました。

インデックス投資ブログや米国株式投資ブログを読んでいると、国内株式ファンドのパフォーマンスを評価しない記事が多く、なんとなく、皆さん買ってないような勘違いをしていたのですが、とんでもないですね。

実は純資産額から見ると、日経平均に連動する投資信託ETFを含む)は桁違いの需要(人気?)があります。

例えば、純資産額1位の日経225連動型上場投資信託ETFですが、純資産額はなんと5兆8,900億円以上もあります。

これが普通の投資信託となると、ぐっと規模が小さくなりますが、それでも、7位のインデックスファンド225が純資産額2,200億円、今回の日経225が8位で純資産額1,700億円あります。

日経平均に連動するファンドはS&P500などに連動するファンドと比べると、かなりパフォーマンスが劣るのに、ちょっと不思議な感じがしますが、以下の「5 総口数の推移」で書くように、どうもインデックス型の国内株式ファンドは、長期投資の対象としては考えられていない節があります。

1 ファンドの特色

購入時及び換金時に手数料がかからないノーロードタイプのインデックスファンド。原則として日経平均株価採用銘柄の中から200銘柄以上に等株数投資を行い、日経平均株価に連動する投資成果を目指す。8月決算。(引用元:モーニングスター

資産配分は次のとおりです。

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(引用元:交付目論見書)

組入銘柄1位のファーストリテイリングが、純資産総額のうち8.55%も占めているのがかなり目を引きます。

2 基準価額変動率の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

いつもは、国内株式はTOPIXに連動するインデックスファンドと比較しているのですが、今回はあえて、同じ日経平均に連動するSlim国内株式(日経平均)と比較してみました。

日経225は紫色の線ですが、その差は非常に僅かではあるものの、より信託報酬の低いSlim国内株式(日経平均)のほうが、リターンが高くなっています。

3 リターンとリスク

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(出典:Yahoo!ファイナンス

同じ日経平均に連動するインデックスファンドですが、日経225のほうがSlim国内株式(日経平均)よりも年間リターンが低く、信託報酬の差も加えると、その差は1.3%にもなります。

長期投資家なら、当然、Slim国内株式(日経平均)を選択すると思います。

一方で、老舗の日経225の純資産額は、比較的最近設定されたSlim国内株式(日経平均)の74倍もあります。

では、いつの日か、Slim国内株式(日経平均)の純資産額が日経225を逆転する、あるいはそこまでは行かないまでも、近づくことはあるのでしょうか。

しかし、話はそう単純ではないようなのです。

4 純資産の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

2018年9月の1,541億円から同年10月の1,930億円に急増しているのが目を引きますが、このとき、実は基準価額が急落していました。 

基準価額が急落しているのに、純資産が急増したということは、基準価額の下落以上に総口数が急増したことを意味します。

5 総口数の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

そこで、今回は日経225の総口数と基準価額の関係をグラフ化してみました。

赤色の線が総口数で左側の目盛り、青色の線が基準価額で右側の目盛りです。

皆さんは見事な上下対象の線だと思いませんか。私は思いました。

基準価額が上がると総口数が減少し(投資信託が売られ)、基準価額が下がると総口数が増加し(投資信託が買われ)ています。

これは典型的なタイミング売買(逆張りのうねり取り)ですね。

機関投資家や、少し前なら相場師と言われたような玄人投資家の売買だと思います。

このような投資家は、おそらく1.3%の年間リターンの差など気にしないでしょうし、それよりも流動性(いつでも大量に売買できること)を重視するでしょう。

つまり、Slim国内株式(日経平均)が販売されても、タイミング売買を行う投資家にとっては、日経225の存在価値は変わらないのではないかと思われます。

6 終わりに

以上から、日経225がタイミング売買の対象となっていることが推測できましたが、ということは、よりタイミング売買に適している日経平均に連動したETF群もまた、同様にタイミング売買の主戦場となっていると思われます。

タイミング売買では、価格が上下に動くことが利益を生み出すことにつながります。

価格が下がれば安い価格で仕入れるために買い、価格が上がれば利益を確定するために売ります。以降、それを繰り返します。

タイミング売買にとっては、価格が下がり続けることは(買いどきがわからないので)望ましくありませんが、上がり続けることも(売りどきがわからないので)あまり望ましくありません。

これらは商売と同じで純粋に経済的な行為であり、何も間違ってはいないのですが、インデックス投資家が考える投資とは異なりますよね。投資と投機の違いとして説明されることもあります。

いずれにしても、国内株式ファンドは上記のようなタイミング売買が基準価額の動きに大きく影響していることを十分認識する必要があると思います。

以上から、やはり国内株式ファンドは(単独では)あまり長期投資には向かないですが、タイミング売買ができる投資家には十分需要があると言えます。

今回はここまでです。ではまた。

※投資は自己責任でお願いします。

サイバーセキュリティ株式オープン(H無)を比較してみる

こんにちは。HIROBUNです。

いつも当ブログをお読みいただきありがとうございます。

やっと風邪が良くなってきました。でも、インフルエンザが早くも流行とのことですので、皆さまも十分にお気を付けください。

さて、Yahoo!ファイナンスのアクセス数ランキングから見た注目ファンド、今回は、サイバーセキュリティ株式オープン(H無)(以下、サイバーセキュリティ)を取り上げます。

ハイテク銘柄は、今までも結構ありました。ロボット・テクノロジー、グローバルAI、次世代通信、グローバル・ロボティクス…。

ハイテク銘柄は、なんだか気分が上がります。売る方も売りやすいんでしょうね。

実際、サイバーセキュリティは売れてます。2年2か月で、純資産はなんと1,100億円以上に到達。

そんなに売れているこのファンド、一体どんなものなのかを、これから見ていきたいと思います。

1 ファンドの特色

主として日本を含む世界のサイバーセキュリティ関連企業の株式に投資を行う。投資にあたっては、サイバーセキュリティの需要拡大および技術向上の恩恵を享受すると考えられる企業の株式の中から、持続的な利益成長性等を考慮して組入銘柄を選定する。アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ユーエス・エルエルシーに運用指図に関する権限を委託する。原則として為替ヘッジを行わない。ファミリーファンド方式で運用。6月決算。(引用元:モーニングスター

資産配分は次のとおりです。

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(引用元:交付目論見書)

そもそも、サイバーセキュリティとは何でしょうか。

デジタル大辞泉によると、サイバー攻撃に対する防御行為。コンピューターへの不正侵入、データの改竄(かいざん)や破壊、情報漏洩(ろうえい)、コンピューターウイルスの感染などがなされないよう、コンピューターやコンピューターネットワークの安全を確保すること、とのことです。

これは、これからも間違いなく重要な仕事ですね。

組入上位銘柄には、マイクロソフトを始めとする著名な企業とともに、あまり聞いたことがない企業も並んでいます。

サイバーセキュリティという分野だけに、消費者向けよりも法人向けサービスが中心だからでしょうね。

2 基準価額変動率の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

紫色の線がサイバーセキュリティです。

2019年1月以降、急激に上昇し、4月に30%超、いったん下落した後、7月には33%超まで上昇しました。

しかし、その後はまた大きく下落し、10月にやや持ち直したものの、現在は14%超の上昇にとどまっています。

10月は、国内、先進国、新興国とすべての株式クラスが下落しているにもかかわらず、弱いながらも上昇しているのは目を引きます。

また、上昇下落の変動の大きさも、インデックスファンドよりはるかに大きいですね。

3 リターンとリスク

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(出典:Yahoo!ファイナンス

サイバーセキュリティの年間リターンは、この5ファンドの中では圧倒的に高く、2%近い信託報酬を差し引いても、その事実は変わりません。

投資家の人気を集めるわけです。

一方で、年間標準偏差の高さは5ファンドの中で最も高く、典型的なハイリスク・ハイリターンのファンドということができます。

4 純資産の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

2018年12月に基準価額が大きく下落した時を除き、ほぼ一貫して上昇しています。

5 総口数の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

こちらも、2019年2月に若干減少した以外は、ほぼ一貫して上昇しています。

2018年12月、2019年5、8、9月と下落した際も変わらずに上昇していますので、投資家の人気はかなり強いように思われます。

6 終わりに

サイバーセキュリティはハイリターンではありますがハイリスク、一般に避けるべきと言われることの多いテーマ型のアクティブ型投資信託で、信託報酬も2%近いです。

しかも、償還日は2022年6月ですので、もう残り3年もありません。償還日近くで下落してリターンがマイナスとなった場合は、もう取り返すことはできません。

個人的にはお勧めできない要素が満載ですが、もし、どうしてもサイバーセキュリティを買いたい場合は、基準価額が下がったところで購入し、上がったところで素早く売り抜ける、逆張りの短期売買が良いのではないかと考えます。もっとも、言うほど簡単ではないと思いますが。

今回はここまでです。ではまた。

※投資は自己責任でお願いします。

【2019年10月期】資産クラス別FとバランスF、それぞれを比較してみる

こんにちは。HIROBUNです。

10月も今日で3日、本当は昨日書きたかったのですが、風邪気味なのと飲み会で断念しました。どちらもブログには強敵ですね。

さて、今回は、いつもと少し趣向を変えて、資産クラス別ファンドとバランスファンドのそれぞれを比較してみます。

その理由ですが、スタートの基準価額が昨年の9月と10月では異なるため、これに伴って、グラフの形もリターンの数字もかなり変わりましたので、これは皆さんにも参考になるのではと思ったためです。

1 資産クラス別ファンド

(1) 基準価額変動率の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

資産クラス別では、やはり国内リートクラスの上昇が目を引きます。その次が先進国リートクラスですね。

しかし、もっと気になるのは、9月は国内債券クラス以外のすべての資産クラスが上昇していたのに、10月は国内株式クラス以外のすべての資産クラスが下落していることです。

この動きは、今後さらに大きくなるのでしょうか。

バランスファンド購入者の私にとっても、気になる動きです。

(2) リターンとリスク

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(出典:Yahoo!ファイナンス

グラフでは気になる動きがあったものの、上の表で見る限りは、国内株式クラス以外のすべての資産クラスのファンドは、年間リターンがプラスになっています。

特に国内リートクラスは年間30%にも迫る圧倒的なリターンを叩き出しており、日本の不動産が再びバブルになりはしないかと、逆に心配になるくらいです。年間標準偏差新興国債券クラスよりも低い数字となっています。

2 バランスファンド

(1) 基準価額変動率の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

バランスファンドの中で、私がほったらかし投資中の野村7資産は、一番リターンが高くなっていますが、それでも2019年4月までは、他のバランスファンドとそれほど変わらなかったことが分かります。

そして、やはり気になるのは、10月に入って、すべてのバランスファンドの基準価額がが下落していることです。

まあ、そんなときは、下落してもこの中では1位だからと自分を慰めるわけですが。

(2) リターンとリスク

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(出典:Yahoo!ファイナンス

基準価額のスタートが2018年10月に変わったことで、年間リターンが大幅にアップしました。

最も低いリターンでも3%以上、野村7資産に至っては10%以上と素晴らしいリターンになっています。

これは、2018年10月に基準価額が下落したためですが、投資信託も株と同様に、買った時期によってリターンは大きく変わるわけですね。この点からもリターンは水物と言えます。

その点、年間標準偏差は、買った時期によって大きく変わることはあまりないようです。

なお、個々のバランスファンドについては、過去記事ほかに詳しく書いておりますので、ご興味、ご関心がある場合は是非お読みください。

3 終わりに

日米ともに株式が下落しています。また、景気の後退に関する報道も増えてきたように感じます。

資産クラス別ファンドにも、バランスファンドにも、すでに株式下落の影響が現れていますが、これが一時的なものにとどまるのか、それとも暴落といったレベルまで行くのか。

正直、そこまでは考えたくないですが、暴落時にも淡々と積み立てた投資家こそ成功しているのも事実ですので、万が一そうなったとしても、このブログを書きながら、冷静にやり過ごしたいと思っています。

今回はここまでです。ではまた。

※投資は自己責任でお願いします。

【低リスクですが】結い2101を比較してみる

こんにちは。HIROBUNです。

いつも当ブログをご利用いただき、ありがとうございます。

さて、今回は、Yahoo!ファイナンスのアクセス数から、人気ファンドの結い2101を取り上げます。運用会社である鎌倉投信も有名ですね。

結い2101は、以前にも取り上げました。

indexhikaku.hatenablog.jp

このときは、ひふみ投信、コモンズ30ファンドと比べて、結い2101が優位にあることを記事に書きましたが、今回はどうでしょうか。

1 ファンドの特色

主要投資対象は、国内外の金融商品取引所上場株式(上場予定予定を含む)および未上場株式。主として国内の株式市場の中で、投資家の長期的な資産形成と社会の持続的発展に貢献できる企業を対象として、その時点で市場価値が割安であると考えられる銘柄を選別し、長期的に分散投資する。原則として、為替ヘッジは行わない。7月決算。(引用元:モーニングスター

資産配分は次のとおりです。

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(引用元:交付目論見書)

上段右側の主要な資産の状況ですが、あまり聞いたことのない企業名も並んでいます。投資比率1位のKOAは固定抵抗器で世界首位級の企業とのことです。

モーニングスターのカテゴリーでは国内小型グロースとなっています。

また、目を引くのは下段右側の組入構成比率です。

株式が占める割合が6割しかありません。残りの4割は債券とコールローン、その他となっています。そこで、コールローンについて調べてみました。

コールローンとは、短期市場における資金の貸し手側から見た運用資金のこと。極めて短期(通常1日)の資金をやりとりするコール市場において、資金の貸し借りが行われるが、その際の貸し手側から見たお金をコールローンといい、借り手側から見るお金をコールマネーという。投資信託の場合、短期の資金運用としてコールローンが活用される。(出典:(社)投資信託協会

要するに、債券と、短期の債券や現金に近いものが4割を占めているものと思われます。

2 基準価額変動率の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

紫色の線が結い2101です。

直近の基準価額は青色の線の国内株式ファンドをかろうじて上回る程度でしたが、その前の月までは、国内株式ファンドを上回るパフォーマンスとなっていました。

基準価額の変動が、国内株式ファンドよりも小さいことも目を引きます。

3 リターンとリスク

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(出典:Yahoo!ファイナンス

結い2101は、年間リターンはマイナスでしたが、国内株式ファンドと比較すると若干リターンが上回りました。

しかし、それもインデックス型の国内株式ファンドよりも大幅に高い信託報酬を差し引くと、逆に国内株式ファンドを下回るパフォーマンスとなってしまいます。

また、年間標準偏差は国内株式ファンドよりも大幅に低く、上記5つのファンドの中では、バランスファンドに迫るレベルとなっています。

これには、ファンド全体に占める株式の割合が6割しかないということも、大きく影響しているものと考えます。

4 純資産の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

2018年2月の340億円超から同年9月の390億円超まで、一気に50億円以上増加しましたが、2018年12月にいったん360億円超まで下落し、その後は390億円前後を天井として、上昇と下落を繰り返しています。

5 総口数の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

2018年2月の175億口から2019年3月の210億口まで、ほぼ一直線に増加しましたが、なぜか、2019年4月にかけていったん下落し、その後、再び現在まで増加を続けています。

この2019年3~4月の5億口の減少の理由ですが、その間の結い2101の基準価額を見ると上昇はしていますが、他の株式クラスのファンドよりは上昇率が低かった(グラフの傾きが緩やかだった)ことが分かります。

これは、債券や現金の比率が4割あることの影響だったと思われます。ここからはあくまでも推測ですが、投資家がこの間の結い2101のパフォーマンスが、他の株式クラスの投資信託よりも劣っていたことを嫌気したせいなのかもしれません。

終わりに

結い2101は、投資家の長期的な資産形成と社会の持続的発展に貢献できる企業を対象として分散投資を行うという方針が投資家に支持されて、総口数の推移を見ても、かなりの人気ファンドとなっています。

また、実際のリターンも、インデックス型の国内株式ファンドと大差なく、一方でリスクはかなり低くなっていて、投資家にとっては安心できる投資信託の一つとなっているのかもしれません。

しかし、もし私が結い2101を購入していたとしたら、貴重な資金を預けて運用してもらうからには、いくら国内株式市場全体のパフォーマンスが振るわなかったとしても、何とかしてプラスのリターンを出してほしいと思ったでしょう。

また、信託報酬を差し引いた後の年間リターンが、インデックス型の国内株式ファンドより低いことを知ったら、失敗したと思うかもしれません。

つまり、アクティブファンドは、投資家の期待に応えるためにも、まずは実際のパフォーマンスをプラスにする、それもインデックスファンドよりもプラスにすることが、何よりも重要だと私は思います。

一言で言えば、他人に自信を持って勧められますか?という話です。

 今回はここまでです。ではまた。

※投資は自己責任でお願いします。

トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドを比較してみる

こんにちは。HIROBUNです。

いつも当ブログをご利用いただき、ありがとうございます。

季節の変わり目で少し風邪を引いてしまいました。病気になると健康が一番大事であることを痛感しますね。皆さまもお気を付けください。

さて、今回はトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド(以下、トヨタファンド)を取り上げます。

トヨタ自動車と言えば、売上高30兆円、営業利益2兆4千億円(2019年3月期 決算短信より)、大学生の就職人気ランキングで第2位(キャリタス就活2020より)の日本を代表する企業ですね。

そのトヨタ自動車の社名を冠した投資信託があることは、今回初めて知りましたが、さすがトヨタだと思わされます。

1 ファンドの特色

トヨタ自動車およびそのグループ会社のうち、国内の取引所第一部に上場している株式から流動性を勘案した銘柄に投資。銘柄の投資比率は、組入銘柄の時価総額に応じて決定。トヨタ自動車株式約50%、残りの約50%をグループ会社株式の各銘柄の時価総額に応じた比率で投資。原則、四半期毎に投資比率を調整。ファミリーファンド方式で運用。11月決算。(引用元:モーニングスター

資産配分は次のとおりです。

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(引用元:交付目論見書)

2 基準価額変動率の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

紫色の線がトヨタファンドです。

直近の基準価額は青色の線の国内株式ファンドをかろうじて上回りましたが、それより前の月は、国内株式ファンド以下のパフォーマンスが続いていました。

トヨタファンドの基準価額の変動が、国内株式ファンドよりも大きいことも目に付きますね。

3 リターンとリスク

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(出典:Yahoo!ファイナンス

トヨタファンドは、国内株式ファンドと比較すると若干年間リターンが高いですが、トヨタファンドは年1回分配金を支払っています。

直近の分配金が410円で、利回りとしては1.86%であることから、その分を合計すれば年間リターンはさらに高いことになります。

しかし、それでも、先進国株式ファンドには全く及ばないパフォーマンスです。

また、年間標準偏差は国内株式ファンドよりもかなり高く、新興国株式ファンドを超えるレベルであり、この中では最も高リスクとなっています。

4 純資産の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

基準価額の変動が大きいことも影響して、純資産の変動も大きく、数十億円規模の上昇と下落を繰り返しています。

ただし、このグラフにおいては、一応上昇基調にあることが分かります。

5 総口数の推移 

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(出典:Yahoo!ファイナンス

総口数の推移としては、こちらも一応上昇基調にありますが、2019年の3~4月と8~9月に減少しています。

基準価額変動率の推移のグラフを見ていただくとその理由が分かります。

この2つの期間、トヨタファンドの基準価額は比較的大きく上昇しています。

つまり、トヨタファンドを購入している投資家は、この期間に利食い(売却)をしているんですね。

そして、基準価額が下がると買い戻すという、いわゆるタイミング売買です。

ですから、基準価額が今後下がれば、総口数はおそらく増加するものと思われます。

終わりに

トヨタファンドは、トヨタ自動車という日本企業では最高のブランド価値で買われている部分が大きいと思います。

また、売る側としても、だからこそ売りやすいのだと思います。

しかし、総口数の変化を見ると、別の側面も見えてきます。

年間標準偏差が大きく、値動きが激しいために、タイミング売買に向いていると考えてトヨタファンドを買っている投資家も一定数いるのではないかということです。

このような投資信託ですので、トヨタが好きで好きでたまらない方や、タイミング売買が得意な方だけにおすすめしたいですね。

バランスファンド派の私は、もちろん買いません。

今回はここまでです。ではまた。

※投資は自己責任でお願いします。

【必見おまけ付き】楽天・全米株式インデックス・ファンドを比較してみる

こんにちは。HIROBUNです。

いつも当ブログをお読みいただき、ありがとうございます。

さて、今回は楽天・全米株式インデックス・ファンド(以下、楽天全米株)を取り上げます。

皆さまご承知のとおり、楽天全米株は、米国株式ブームの中、人気ETFであるバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(略称VTI)に簡単に投資できる投資信託として大変な人気を集めてきました。

投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018でも4位の人気となっています。

私も人気ブロガーの記事で、楽天全米株は、つみたてNISAのファイナルアンサーと書かれているのを読み、実際に購入したこともあります(現在は売却済)。

1 ファンドの特色

 楽天・全米株式インデックス・マザーファンド受益証券への投資を通じて、CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目指す。対象指数に連動する上場投資信託証券(ETF)の「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」を実質的な主要投資対象とする。原則として、為替ヘッジは行わない。ファミリーファンド方式で運用。7月決算。(引用元:モーニングスター

資産配分は次のとおりです。

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(引用元:交付目論見書)

要するに、VTIを買うだけの投資信託ですね。 

2 基準価額変動率の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

楽天全米株は、紫色の線です。Fund of the Year 2018で人気1位のSlim先進国株(赤色の線)とほぼ重なるような動きですね。7月以降は、ほんのわずかですが、楽天全米株式がSlim先進国株を上回っています。

3 リターンとリスク

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(出典:Yahoo!ファイナンス

楽天全米株は、他の株式ファンドと比べ、(マイナスではありますが)最も年間リターンがよく、年間標準偏差もSlim先進国株より若干大きい程度です。

信託報酬もSlim先進国株よりも0.05ポイント高いですが、十分低コストです。

純資産もどちらも500億円超と、Slim先進国株とはまさに好敵手といった感じです。

4 純資産の推移

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(出典:Yahoo!ファイナンス

人気ファンドだけあって、楽天全米株の純資産は2018年2月の75億円から現在の573億円まで、ほぼ右肩上がりに一直線で増加しています。

2018年11月から12月にかけて、米国株の低迷を受けて若干減少したのがわずかに目立つくらいでしょうか。

5 総口数の推移 

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(出典:Yahoo!ファイナンス

総口数も純資産同様に、2018年2月の72億口から現在の501億口まで、右肩上がり一直線です。

2018年11月から12月にかけて純資産が減少した際も、総口数は変わらないペースで増加しています。投資家の信頼は揺るがないといったところでしょうか。

【おまけ】

と、ここまで書いてきて、楽天米国株とSlim米国株、Slim先進国株、そしてこれにFund of the Year 2018で人気2位の大御所ニッセイ外国株も加えて、総口数の伸び(増加した口数)を比べてみたくなりました。

これはイコール最終的に売れた口数となりますから、投資家からの人気を図る最適なバロメーターになると思います。

さあ、この中で真の人気ファンドはどれなのでしょうか。グラフで見てみます。

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(出典:Yahoo!ファイナンス

どうでしょうか。4つのファンドはそれぞれ設定日が異なりますので、最初から総口数の差があります。当然、一番古株のニッセイ外国株の総口数が一番多いです。

しかし、同じ期間に増加した口数はどうでしょうか。

青色の線の楽天全米株と黄色の線のニッセイ外国株を比べると、口数の差が徐々に縮まっている(線の線の間が狭くなっている)ことがお分かりでしょうか。

これを数字でお示しすると、2018年2月には467億口あった差が、現在は337億口まで縮まっています。

また、楽天全米株とオレンジ色の線のSlim米国株を比べると、こちらは反対に口数の差が徐々に広がっている(線と線の間が広くなっている)ことがお分かりでしょうか。

これを数字でお示しすると、2018年7月には138億口あった差が、現在は223億口まで広がっています。

つまり、楽天全米株は、ニッセイ外国株及びSlim米国株よりも人気があることが分かります。

ちなみに、Slim先進国株は楽天全米株よりわずかに総口数が少ないだけで、こちらもニッセイ外国株及びSlim米国株よりも人気があります

終わりに

皆さまご承知のとおり、SBI証券が、S&P500指数への連動を目指す投資信託のSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド(以下、SBIバンガードVOO)の発売をスタートしました。

当初の純資産額が16億円を超えたということで、一応の成功と言われています。

しかし、上で書きましたように、連動をめざす指数こそ異なりますが、実態としてはほとんど同じパフォーマンスの人気ファンドがすでに複数あるわけです。

しかも、SBIバンガードVOOの直接のライバルとなるSlim米国株よりも、楽天米国株のほうが売れていることが分かりました。

SBI バンガードVOOは確かに圧倒的に低い信託報酬で参入し話題となっていますが、果たして、上記の人気ファンドからの買い替えを促すほどの訴求力はあるのでしょうか

限られたパイを奪い合うだけの競争となるようなら、今後は甘くないのではないかと私は考えます。

まあ、いずれにしても、バランスファンド派の私は買わないのですが。

今回はここまでです。ではまた。

※投資は自己責任でお願いします。